発達障害の特性に合わせた生活の工夫!周囲のサポートの必要性と効果
子どもがやるべきことをしっかりこなしながらスムーズに生活を送ることは、難しいことですね。
発達障害の特性がある子ども達ならなおさらです。
では、発達障害の特性に合わせた生活の対処にはどんな物があるでしょうか?
また、療育を活用することで定型発達の子どもだちと同じようにスムーズに生活ができるようになるのでしょうか?
今回の記事では、発達障害の特性に合わせた生活の工夫や周囲のサポートとその効果について見ていきたいと思います。
発達障害の特性に合わせた生活の工夫や周囲のサポートは必要?
子どもが生活上でうまくいかないことがあったとき、同じ年齢の子どもだちが難なくできているとき。
親としては、もっと子どが頑張れば、量をこなせば、できるようになるんではないか、と考えてしまいますね。
しかし、子どもが発達障害の特性がある場合、生活上の課題について、発達障害の特性に合わせた生活の工夫や周囲のサポートが必要な可能性があります。
というのも、子どもが直面する特有の課題やニーズに対して、一般的な努力だけでは効果的な問題解決に至らない可能性があるからです。
具体的には、以下などが考えられます。
1.生理的・神経的な特性
発達障害の子どもは、神経発達の違いにより、特定の課題や状況において通常とは異なる反応や感じ方をします。
これらは本人の意志や努力では解決できない生理的・神経的な特性に起因するものであり、適切な環境や方法の工夫が不可欠です。
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2.個別対応の必要性
発達障害は多様であり、同じ診断を持つ子どもでも特性やニーズは異なります。
そのため、一律の努力ではなく、それぞれの子どもに合った個別の工夫や配慮が必要です。
例えば、視覚的な支援が有効な子どももいれば、感覚過敏に対する環境調整が必要な子どももいます。
視覚的な支援でいえば、一日の活動を視覚的に示したスケジュール表や指示やルールを視覚的に示すピクトグラム(絵文字やアイコン)の活用等があります。
感覚過敏に対する環境調整では、過度な音や光を避け、集中しやすい環境を整える等があります。
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3.適応の支援
発達障害の子どもの中には、新しい状況や変化に対して適応するのが極度に苦手な場合も多くあります。
適切な配慮や工夫により、彼らがよりスムーズに適応できるように支援することが重要です。
例えば、ルーチンの確立や予測可能な環境の提供が効果的です。
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4.ストレスの軽減
発達障害の子どもが直面する課題に対して単に「努力」を求めると、過度のストレスや不安を引き起こすことがあります。
工夫や配慮を通じて、子どもが安心して学びや成長に取り組める環境を整えることが大切です。
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5.成功体験の促進
適切な工夫や配慮により、発達障害の子どもが成功体験を積む機会が増えます。
これにより、自尊心や自己効力感が向上し、さらなる挑戦に対する意欲が高まります。
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このように、発達障害の子どもにとっては、単なる「努力」ではなく、その特性に合わせた「工夫」や「配慮」が不可欠なのです。
工夫や配慮により、彼らが持つポテンシャルを最大限に引き出し、より良い生活環境を提供することが可能になります。
1人1人の特性に合わせながら、環境調整、伝え方の工夫、褒め方の工夫をうまく行ない、子ども達の自信を育てていきましょう。
ではこういった特性に合わせた工夫や周囲のサポートや療育により、定型発達の子どもと同じようにスムーズに生活が送れるようになるのでしょうか?
次の段落では、療育の効果で定型発達の子どもと同じように生活を送れるのかについて確認してみましょう。
定型発達の子どもと同じように生活を送るために、療育は必要?
発達障害の傾向のある子どもには早期療育を薦めますというのが回答です。
上記に挙げた通り、発達障害の子どもの特性はそれぞれですが、それらは神経発達、脳の機能の違いによるものです。
障害特性に合わせた生活の工夫や周囲がサポートを行うことで、特性が気にならなくなったり、困る場面が少なくなったりする子どもも多いでしょう。
しかし、脳の機能による特性なので脳の作り自体が変わっているわけではないのです。
つまり、生活環境の変化により、うまくいっていた特性との付き合い方が通用せず、新たに困りごとが出てくる可能性もあるのです。
家庭や学校の先生のサポートにより生活がうまくいっていても、学年が変わるタイミングや社会に出て働きに出るタイミングで、困りごとが見えてくる子ども達も多くいます。
また、子ども達の活動範囲が広がるにつれ、家庭内だけのサポートには限界があるでしょう。
そのため、ソーシャルスキル獲得を早期に行ったり、療育の専門家による支援を受け、幅広い環境変化に対応するスキルを身につけることがおすすめなのです。
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療育では個別で行うものもあれば、集団で行うものもあります。
今日は、こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラムの中から「手押し車でじゃんけん&あっちむいてホイ」をご紹介します。
「手押し車でじゃんけん&あっちむいてホイ」
1.子ども達はペアを作り、手押し車をします。
※後ろで足を持つ子は、足首ではなく膝や太ももの辺りを持つとやりやすくなります。
前の子は、後ろの子が足を持ちやすいように膝をまっすぐ伸ばして、できれば足首を立てておきます。
2.2人で息を合わせてホールの中を動き回り、指導者の合図があったら一番近くにいるペアとじゃんけんをします。
※じゃんけんをするのは、前の子同士でします。
できたら「あっちむいてホイ」までやってみましょう。
手押し車の姿勢でじゃんけんをするには、片手で全体重を支えられる力が必要になります。
この時、腕の支持力だけでなく、関節の使い方や腹筋背筋に力を入れて体をまっすぐにしておくことも大事です。
また、じゃんけんをすることで相手とタイミングを合わせることが必要になるので、社会性を養うことにもつながります。
できるだけたくさんのペアとじゃんけんできると良いですが、無理をせず楽しく遊べる範囲で行ないましょう。
このように、専門家による療育では、家庭では難しい集団スキルを身につける機会を楽しみながら得ることができます。
発達障害の傾向のある子どもには早期療育を検討してみるのも1つと言えるでしょう。