こどもたちの「困りごと」と
運動不足の関係
発達障がいのあるこどもたちは、感情のコントロールが難しい、集中力が続かない、自分の体の動かし方がうまくわからないなど、日常生活の中でさまざまな「困りごと」を抱えています。
その背景のひとつとして、現代社会における「運動不足」が挙げられます。
現代では、外あそびが減り、ゲームなどの静的な室内あそびが中心となりました。
その結果、こどもたちの脳や身体に必要な刺激が不足し、成長や発達に影響を与えていると考えられています。
なぜ運動療育が
注目されているのか?
重要な役割を持つ
前頭前野とは
「運動療育」とは、運動を通じてこどもの脳や心、身体の発達を促す療育方法です。
中でも重要なのが、「前頭前野」と呼ばれる脳の領域です。
この部分は、感情を落ち着ける・集中を続ける・気持ちを切り替えるといった、日常生活に欠かせない力を担っています。
発達障がいのあるこどもたちは、この前頭前野の発達がゆっくりであることが多く、それが「落ち着かない」「集中が続かない」といった困りごとにつながることがあります。
前頭葉と前頭前野の違いは?
「前頭葉」は、脳の前のほうにある広い場所で、身体を動かしたり、話したり、行動したりするときに使われます。
「前頭前野」は、その前頭葉の中でもいちばん前の部分で、「考える」「アイデアを出す」「気持ちを落ち着かせる」「どうするか判断する」といった重要な役割を担っています。
運動あそびで
脳の働きが活発になる
私たちの研究では、10分ほどの軽い運動を行うことで、前頭前野の血流が増え、脳の働きが活発になることが明らかになっています。
つまり、運動は単に身体を動かすためだけではなく、「考える力」や「気持ちをコントロールする力」までも育ててくれる、大切な活動なのです。
詳しい研究内容は、以下の論文をご覧ください。
幼児期の全身運動が前頭前野を活性化しGo/No-go課題に与える影響について
こうした研究結果からもわかるように、発達がゆっくりなこどもたちも、適切な環境や働きかけによって成長していきます。
運動あそびを通して脳の発達を促し、こどもたちの「生きづらさ」を軽減していきます。
こどもプラスの運動療育
「柳沢運動プログラム」とは?
すべてのこどもが
"できるようになる"運動療育
こどもプラスが提供する運動療育「柳沢運動プログラム」は、発達障がいのあるこどもを含め「すべてのこどもができるようになる」ことを積み重ねられるよう設計されています。
たとえば、鉄棒の「逆上がり」ができるようになるには、以下の4つの力が必要です。
- 逆さ感覚
- 懸垂力(腕を引きつける力)
- 回転力(身体を回す力)
- 支持力(身体を支える力)
このように「必要な力」を分解し、どの子でもできる簡単なあそびの中で段階的に力を育てていきます。
そうすると、多くの子が自然と逆上がりを習得できるようになります。
難易度を少しずつ上げていくことで、「できた!」という達成感を得やすくしています。
すべてのこどもに成功体験を!
"できた/できない"がわかる
運動あそび
こどもプラスが採用する運動療育「柳沢運動プログラム」は、
- 鉄棒の逆上がり
- 跳び箱の開脚跳び
- マット運動の側転
- 縄跳びの連続跳び
といった、"できた/できない"が明確に分かる運動を採用しています。
「できた!」という経験が、自己肯定感や運動への意欲を育て、継続的な取り組みにつながることが明らかになっています。
なぜボールあそびや鬼ごっこではないの?
鬼ごっこやボールあそびも楽しいあそびですが、
- 「できた/できない」の基準が曖昧
- 得意な子との差が分かりにくい
- 成功体験として記憶されにくい
という特徴があります。
そのため、こどもプラスでは、明確な達成感を得やすい運動を選び、こどもたちが自信を持って取り組める環境づくりを大切にしています。
「できた!」という経験が
大切な理由
こどもの脳を育てるためには、運動の「楽しさ」と「やる気」が欠かせません。
嫌なことを無理やりやらされると、こどもは運動そのものに苦手意識を持ってしまいます。
無理やり通わされたスポーツ教室や、体育の授業・・・そんな苦い経験はありませんか?
実際に行われた実験では、運動あそびをしたこどもたちの集中力が向上することが確認されています。
さらに、「友だちと一緒に取り組んだグループ」が最も高い集中力を示すなど、運動に「楽しさ」があることが重要だと考えられています。
「できた!」という感情とともに、楽しみながら体を動かす経験は、脳の働きを高め、こどもたちの学びの土台になります。
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