自閉症スペクトラム, 運動療育・運動遊び

自他の区別がつかない子どもって?ASDの純粋な心が生む困難とは?

自閉症スペクトラム

ASDの子どもの中には、自他の区別がつかないことで、相手を疑わず計算しない純粋さが、時には辛い経験をもたらすこともあります。

そんな自他の区別がつかない子どもが抱える困難を軽減し、社会に溶け込むための手助けをするにはどうしたらいいでしょうか。

今回の記事では、自他の区別がつかない子どものために、どのように理解と支援を深めるかを考えていきましょう。

自他の区別がつかない?ASDの子どもへの理解と支援

ASD(自閉症スペクトラム)の子どもたちは、「自他の区別」がつかないことがあり、他人に意思や感情、考えがあるということを理解するのが難しい場合があります

成長と共に理解できるようになっても、社会生活をスムーズに送るのには支障がある子もいます。

相手を疑わず、計算しない純粋さが、時には辛い経験をもたらすことも。

だからこそ、子どもの思いに寄り添い、丁寧な療育支援を行うことが大切です。

ASD(自閉症スペクトラム)の子どもが自他の区別を理解しやすくなるように支援するための対策を見ていきましょう。

1.具体的な指導と繰り返しの練習

自他の区別を教える際には、具体的な例を用いて繰り返し教えることが重要です。

例えば、「これはあなたのもの、これは私のもの」といった具体的な物の区別から始めます。

2.運動療育プログラムの活用

運動を通じて協力し合うプログラムを取り入れることで、他者との関係性を学びます。

例えば、「クマで鬼ごっこ」のような遊びを通じて、他者の位置や動きに注意を払うことで、自他の区別を剥ぐぐむことができます。

3.社会的スキルのトレーニング

社会的なスキルを教えることで、他者との適切な関わり方を学びます。

例えば、順番待ちや共有することの重要性を教えることが挙げられます。

4.親や教育者の理解と協力

子どもの特性を理解し、根気強く支援することが必要です。

親や教育者が一貫した対応をすることで、子どもが安心して学ぶこどができます。

5.コミュニケーションの工夫

言葉だけでなく、ジェスチャーや視覚的なサポートを使って、子どもが理解しやすいように工夫します。

これらの対策を通じて、ASDの子どもが自分と他者との境界を理解し、社会的な関わりをスムーズに行えるように支援していくことが大切です。

また、一人ひとりの個性やニーズに合わせた個別の対応を行うことも重要です。

このように、ASD(自閉症スペクトラム)の子どもたちは、「自他の区別」がつかないことがあり、他人に意思や感情、考えがあるということを理解するのが難しい場合があります。

次に、自他の区別を学ぶためにも役立つ、こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラム「2人で救急車片足クマ」をご紹介します。

運動療育プログラム「2人で救急車片足クマ」

自他の区別を学ぶためにも役立つ、こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラム「2人で救急車片足クマ」をご紹介します。

まず、友達と2人ペアを作ります。

ペアの1人は四つんばいから膝とお尻を上げたクマの姿勢から、片方の足を後ろに上げて「片足クマ」になります。

もう1人は片足クマの子の後ろに立ち、上げた足を両手で持ちます。

このとき、足首ではなく膝の辺りを持つと楽です。

そして、2人で一緒に息を合わせて前に進んでいきますが、特に後ろで足を持っている子は、前の子に合わせる力が必要です。

自分のペースで進もうとして押してしまうと、前の子はつぶれて顔を床にぶつけてしまうし、よそ見をしていたり、ボーッとしていると動きが遅れて、前の子の足を落としてしまいます。
後ろの子は、片足クマの子の動きをよく見ながら、ペースを合わせて動けるように、最初に上手な見本と悪い見本を分かりやすく見せて伝えます。

また、足を持ち上げる時や下ろす時も、突然だと相手がびっくりしたり痛い思いをしてしまうので、声をかけたり合図する、ゆっくり行うなど、ポイントもしっかり伝えながら、ペアの遊びで相手を思いやる気持ちも育てていきましょう。

他にも、子どもが自他の区別を学ぶための運動療育プログラムがあります。

「クマで鬼ごっこ」

子どもが他者の位置や動きに注意を払い、自他の区別を学ぶことができます。

「線上鬼ごっこ」

社会性や先を読む力を養うための遊びで、子どもがルールに従って行動することを学びます。

「色鬼」

臨機応変に動く力を育てる遊びで、子どもが色の指示に従って動くことで、他者との関係を理解する練習になります。

フラフープを使った運動

フラフープを障害物として使用し、子どもがフープをまたいで中に入ったり外に出たりすることで、身体的な協調性を高めます。

これらの活動を通じて、子どもが楽しみながら学ぶことができるようにしていきましょう。

自他の区別を学ぶためにも役立つ、こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラム「2人で救急車片足クマ」をご紹介しました。

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