運動療育・運動遊び, 障がい者支援(接し方・教育を含む)

子どもの発達障害と癇癪・パニックを防ぐための環境調整って?

運動療育・運動遊び

子どもの世界は、私たち大人には想像もつかないほど複雑で、特に発達障害を持つ子どもは、日々の生活の中で見えない壁に直面しています。

癇癪やパニックは、ストレスのサインかもしれません。

この記事では、発達障害のある子どもが安心して生活できるよう、癇癪やパニックを防ぐための環境調整の方法についてご紹介します。

発達障害の癇癪とは?パニックを防ぐための環境調整って?

発達障害の子どもは、他の人には想像もつかないほどの苦労や不安、ストレスの中で日々生活をしています。

些細なことでパニックになったり、癇癪を起こすことがありますが、その理由は人それぞれで、言葉で伝えられない子もいます。

周囲が原因を見極め、苦痛を軽減するための環境調整や工夫をすることが、パニックや癇癪を起こさないようにするためには大切です。

では、発達障害の子どもの癇癪などを防ぐための環境調整はどのようにしたらよいのでしょうか。

癇癪やパニックを防ぐための環境調整には、子どもが過度のストレスや感情を経験し、それをうまく処理できないときに発生することを理解し、以下のような予防策を講じることが重要です。

障害の子どもが癇癪やパニックになることを防ぐための具体的な方法をいくつか紹介します。

  1. 周りの安全確保:パニックを起こした場合には、子ども自身や周囲の人が傷つかないように、危険なものは遠ざけましょう。
  2. 本人を刺激しない:パニックになっている子どもをさらに刺激しないように、静かに見守り、落ち着くのを待ちます。
  3. 落ち着いてから話を聞く:子どもが落ち着いたら、問詰めずに話を聞き、感情を理解しようとすることが大切です。
  4. 自傷行為は止める:自傷行為をしている場合は、安全を確保しつつ、優しく止めるようにします。

これらの方法は、子どもが感情をコントロールしやすくなるようにサポートするためのものです。

また、日常生活での予防策として、以下のようなことが有効です。

  1. 環境の調整:子どもの特性に合わせて、刺激やストレスを与える環境、癇癪が起きやすい環境を避けます。
  2. ルーティンの確立:予測可能なルーティンによって子どもの安心感を高めます。日々の活動、食事、睡眠の時間を一定に保つことが効果的です。
  3. 予期管理:新しい活動を始める時や予定に変更がある場合は、事前に子どもに知らせ、何が起こるのかを理解させます。
  4. 感情の言語化:子どもが自分の感情を理解し、表現できるように支援します。
  5. ストレス対処法の教育:深呼吸などのリラクゼーション法を教えることで、子どもがストレスに効果的に対処する方法を教えます。
  6. 要求の適切な管理:子どもの要求をすべて満たす必要はありませんが、不必要な衝突を避けるためには、要求を一旦聞いてあげることも必要です。

これらの方法は、子どもが感情的および社会的スキルを発達させるためのサポートとなります。

また、感覚の過敏さがパニックの原因である場合、触覚や聴覚の過敏さの改善が大切です。

これらの対策を通じて、子どもの発達を支援し癇癪やパニックを減らすことができるといいですね。

関連記事:発達障害児のパニックはやめさせるよりも起こさせない工夫が大切です。

次に放課後等デイサービスで行われている子どもの運動療育プログラムを見てきましょう。

子どもの運動療育プログラム「前回り降り」の紹介と工夫

「こどもプラス」の放課後等デイサービスで提供されている運動療育プログラムから前回り降り」をご紹介します。

鉄棒で「すずめさん」に変身し、頭をゆっくり前に倒していき、肘を曲げながら体で鉄棒を包み込むようにして回ります。

勢いよく回転して、回った後に足がバタンと勢いよく下に落ちてしまうと、途中で手が離れて落下するリスクが高くなります。

ゆっくりと静かに回転をコントリビューションしながら着地できるように練習します。

子どもたちには「ゆっくり静かに降りましょう」と言うだけでは意識して行うのは難しいと思います。

そこで、前回りをした後に空中で足打ちをしてから降りてみたり、鉄棒の下に2色のカップを置いて着地する色を指定したり、降りる位置を鉄棒の真下ではなく、一歩前の位置になるようにフープを置いたりすることで、降りる前に一度、腕に力を入れる要素を取り入れます。

筋力が弱いと難しいので、補助もしながら日々の中で少しずつ力を付けられるように遊んでいきましょう。

すずめに関する運動遊びをもっと知りたい方は、こちらの療育プログラムも参考にしてみてください。