発達障害

発達障がい(ADHD・ASD)の注意力・集中力について!

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発達障がい(ADHD・ASD)の特性と一言で言っても、様々なものがありますね。

発達障がいの特性で調べてみると「集中力がある」と書かれていたり、「注意力がない」と書かれていたり。

特に注意力や集中力の特性やその特性で困ることとは結局どういうことか、なかなか理解しづらいことも多いのではないでしょうか。

今回は発達障がい(ADHD・ASD)の特性の中でも集中力について、対策とトレーニング方法を見ていきたいと思います。

発達障がい(ADHD・ASD)のこどもの集中力について

そもそも、集中力とはどんなものでしょうか?

簡単に言うと、集中力は「一つのことにどれだけ注意を向け続けるか」を示す能力です。似たもので、注意力がありますが、注意力は「何に注意を向けるか」を決定する能力です。

注意力と集中力は関連する概念で、集中力は、注意力の一部と考えられます。

注意力にはいくつか種類があり、選択的注意・持続的注意という物があります。

選択的注意は、多くの刺激の中から、特定の情報に注意を集中させる能力です。

例えば、騒がしい場所で友人の話に集中することが選択的注意です。

持続的注意は、長時間にわたって注意を維持する能力もあります。

例えば、授業中に講義をずっと聞き続けることが持続的注意です。

一方、集中力とは、特定の課題や活動に対して注意を向け、その状態を維持し続ける能力を指します。

もちろん個人の程度や特徴により様々ですが、発達障がいをもつこどもたちにとっては特性上、困りごとが現われやすい部分でもあります。

上記をふまえたうえで、発達障がいの集中力と注意力の特性に絞って困りごとを整理すると以下のようになります。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の集中力の特性

1.選択的注意の困難

必要な情報に集中することが難しく、関係のない刺激に気を取られることです。

騒がしい場所では誰が何を話しているのか、誰に話しかけているのか等の困ることがあり、社会的な場面での適切な行動が難しくなることがあります。

この特性を持つこどもも中にはこの選択的注意の苦手さ故にパニックを起こすこともあります。

2.持続的注意の困難

長時間にわたって一つの活動に注意を向け続けづらいことです。

例えば、授業中に集中を維持するのが難しいことがあります。

また、興味のないことに対して注意を持続させるのが困難な場合も多いです。

3.過集中

特定の興味や活動に対して非常に強い集中力を発揮し、他の刺激や要求に対して気づかないことです。

例えば、好きなテーマについて調べるときに他のことが全く目に入らなくなることがあります。

4.感覚過敏による集中困難

音、光、触覚などの感覚刺激に対して過敏であり、これが集中力に影響を与えることがあります。

感覚過敏によって、周囲の環境からの刺激が気になりすぎて集中できないことがあります。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の集中力の特性

1.不注意

注意が散漫で、詳細に注意を払うことが難しいことがあります。

ケアレスミスが多い、忘れ物が多い、話を聞いていないように見える、などといった形で現われることが多いです。

例えば、学校の課題や仕事において、指示を聞き逃したり、物を忘れたりします。

2.集中の維持の困難

一つの課題に集中し続けるのが難しく、簡単に気が散りやすいことです。

これは特に退屈な作業や繰り返しの多い作業で顕著です。

特に本人の関心の低いことに対して、集中力を維持することが難しい傾向にあります。

3. 過集中

興味のある活動には過度に集中し、他の重要な活動や時間管理ができなくなることがあります。

4. 多動性・衝動性

「じっとしていられない」(多動性)、「考えずに行動してしまう」(衝動性)という特性も、集中力に影響を与える要因となることがあります。

たとえば、会話中に相手の話を遮ったり、課題を始める前に指示を最後まで聞かないことがあります。

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特性の強さや現れる症状には大きな個人差があります。

同じ障害名でもどんな特性が強く出るか、困りごとにつながるかは人それぞれです。

注意力・集中力の困りごとをサポートするためには、個別のニーズに応じたアプローチが不可欠です。

例えば、環境の調整、視覚的なサポート、明確な指示やルーチンの設定などが効果的な場面も多いでしょう。

また、これらの特性による困りごとを放置したり不適切な対応をしてしまうと、二次障害等別の問題を引き起こしてしまうこともあります。

集中力・注意力に対して、本人の「怠慢」や「わがまま」と誤解し不適切な対応を繰り返すと、こどもは自信を失い、自己肯定感が低下することがあります。

そのため、特性に気付いたら、早期療育等早めに周囲のサポートを受けることがとても大切になってきます。

注意力は「何に注意を向けるか」を決定する能力であり、集中力は「一つのことにどれだけ注意を向け続けるか」を示す能力であることを確認しました。

次に発達障がい(ADHD・ASD)のこどもが集中できないときの対策について見てみましょう。

  発達障がい(ADHD・ASD)のこどもが集中できないときの対策

発達障がいのあるこどもが、「何度言っても集中できない」「すぐに他のことに関心が移ってしまう」といったことでお悩みの保護者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、それはこどものやる気や能力の問題ではなく、特性に合わせた環境が整っていないだけかもしれません。

こどもが集中できないとき、「集中しなさい!」と叱るのではなく、こどもを取り巻く環境を調整し、集中しやすい状況を作ってあげることがとても大切です。

  発達障がい(ADHD・ASD)のこどもが集中できないときにどんな工夫や対策が役立つかをご紹介します。

今回は「家庭でできる対策」「学校でできる対策」に分けて解説していこうと思います!

家庭でできる対策

まずは、安心できる場所である家庭で、集中しやすい環境の土台を作ってあげましょう。

リラックスしながら集中できる環境を整えていけるといいですね。

環境を整える

まずは周辺を片付け、必要のないものは置かないようにします。

こどもの集中を妨げる刺激を物理的に減らすことが基本です。

・視覚的な刺激を減らす:勉強机の周りには、おもちゃや漫画など、関係ないものを置かないようにしましょう。

ポスターなども、座った位置から見えすぎると刺激になる場合があります。

・空間を分ける:「勉強をする場所」「遊ぶ場所」「食事をする場所」を明確に分かることで、こどもが「この場所では何をするべきか」を理解しやすくなり、気持ちの切り替えがスムーズになります。

・感覚に配慮する:洋服のタグや素材が気になって集中できないこどもには、タグを切ったり肌触りのいい衣類を選んだりする配慮も有効です。

時間を区切る

長時間じっとするのが苦手な場合は、活動時間を短く区切ることが効果的です。

「15分だけ取り組もう」とタイマーをセットし、終了したらアラームが鳴るようにすれば、終わりが見えるので頑張りやすくなります。

「いつまで続くのかわからない」状況は大きなストレスになります。

タイマーなどを使って時間を区切ることは安心して取り組むために非常に有効です。

視覚的なサポート

言葉だけの指示は記憶に残りにくく、混乱の原因になります。

絵や文字を使った「見える」サポートを取り入れましょう。

・やることリスト:「①しゅくだいをする」「②はみがきをする」といったリストを一緒に作り、終わったらシールを貼ったりチェックを入れたりする。

・手順書:料理や工作など、手順が複雑なものは写真やイラストで手順書を作ってあげると、こどもは自分のペースで確認しながら取り組めます。

1日の流れを絵カードで示し、「次に何をするか」を見通せるようにするのもいいでしょう。

好き!を活かす・ご褒美も◎

好きなことを積極的にやらせてあげましょう。

好きなことには、驚くほどの集中力を発揮することがあります。

好きなキャラクターのドリルを使ったり、得意な問題から始めたりするなど、課題に好きな要素を取り入れてみましょう。

自分の好きなことだと集中力ややる気もアップし、「できた!」を実感できるようになります。

また、終わったらシールを貼る・スタンプをためるなど、目でみて「できた!」を実感できる仕組みを作るといいでしょう。

身体を動かす

ずっと座っていると、誰でも集中力は途切れてしまいます。

何かを行う合間で簡単に身体を動かす(ジャンプや伸びなど)をすることで、気分転換になり集中力が戻りやすくなります。

適度に休憩時間を取り、集中力をリセットできるようにしていきましょう。

学校でできる対策

学校は家庭よりも刺激が多い場所です。

お子さんが長い時間過ごす学校でも、環境を調整することで集中しやすくなります。

先生と連携し、安心して学習に取り組める環境を整えていきましょう。

これらは、学校と相談をし進めていきましょう。

座席の検討

教室には多くの刺激があります。

座る場所を工夫するだけで、集中力は大きく変わります。

・窓際や廊下側は人の動きが気になりやすいため、教壇の前や壁際の席を検討してもらう(掲示物の多い壁際はなるべく避ける)

・パーテーションの活用:特に注意が散りやすい場合は、机の周りを段ボール製のパーテーションなどで囲ってもらうといった配慮も有効です。

やることを分割する

一つの大きな課題は、どこから手をつけていいか分からなくなりがちです。

「ワークをやる」ではなく、「まず1ページ目の大問1だけやってみよう」というように、課題を細かくスモールステップに分かることで、見通しが立ち、取り組みやすくなります。

短い言葉で分かりやすく!

先生からの指示は、クラス全体に向けられるため、聞き逃したり、理解しきれなかったりすることがあります。

指示の出し方を少し変えるだけで、何をすべきか理解しやすくなります。

・具体的・肯定的に:「ちゃんとやる」のような曖昧な言葉ではなく、「ノートの5ページを開いて、日記を書きましょう」のように具体的に伝えます。

「廊下を走らないで」ではなく「廊下は静かに歩こうね」といった肯定的で具体的な言葉で、望ましい行動を伝えてもらうといいでしょう。

視覚的なサポート

学校の授業でも、視覚的なサポートは全てのこどもにとって分かりやすさにつながります。

・授業のめあてやその日の流れを、黒板やホワイトボードに書き出してもらう。

・聴覚過敏で教室のざわめきが苦手で集中できない場合は、イヤーマフなどの使用を、視覚過敏で教科書の文字が読みづらい場合は読む行以外を隠すスリット(読書補助具)の使用などを相談してみましょう。

休み時間や休憩時間に身体を動かす!

体を動かしたいという欲求を満たしてあげることは、次に授業への集中力を高める上でとても重要です。

休み時間には外で思い切り遊んだり、体育の授業で積極的に体を動かしたりする時間の大切さを先生と共有しましょう。

家庭と学校の両方で対策を考えることで、こどもの集中力を伸ばしやすくなります。

「集中力がない=できない子」ではなく、環境や支援など対策を行えば集中できる時間を増やしていくことができます。

少しずつでも「できた!」という成功体験を積み重ねて、自信を持つことができるようにサポートしていけるといいですね。

こどもが集中できないとき、こどもを取り巻く環境を調整し、集中しやすい状況を作ってあげることがとても大切ということをお話しました。

次に発達障がい(ADHD・ASD)のこどもの集中力トレーニング方法についてご紹介します。

発達障がい(ADHD・ASD)のこどもの集中力トレーニング方法

環境調整と並行して、こどもの集中力をトレーニングすることも大切です。

毎日の生活やあそびの中で楽しく取り組める方法を、「日常生活」「あそび」「学習」の3つのシーンに分けてご紹介します。

こどもと協力して行ってみてください!

1.日常生活の中でできるトレーニング

特別な時間を設けなくても、日々の生活の中で関わり方を少し工夫するだけで、こどもが集中しやすい行動を自然に増やすことができます。

ほめる!

こどもが望ましい行動をした時に、具体的にほめることが効果的です。

こどもが集中して取り組んでいるときや、静かに座って待っているときなどに「今、すごく集中できているね!」、「〇〇(今やっていること)最後までできたね!」「〇〇で集中して遊べててすごいね!」と具体的にほめながら声かけをすることが大切です。

漠然とほめるよりも、「何が」良かったのかを伝えることで、こどもはどんな行動がいいのかを学び、その行動が増えやすくなります。

こうした声かけは、自然と「集中する行動」を増やす効果があります。

指示はシンプルに一つずつ

一度にたくさんの情報を記憶するのが苦手なこどもには、指示を分けて伝えましょう。

「おもちゃを片付けて、トイレに行って、手を洗って」と一気に伝えるのではなく、

「まず、おもちゃを箱に片付けよう」と伝え、できたら次の指示を伝えます。

指示を一つずつ出すことで、目の前のことに集中して取り組むことができます。

スケジュールやタイマーで「見通し」を立てる

計画や時間管理が苦手なこどもには、「次は何をするか」が一目でわかる絵や写真を使ったスケジュール表を作成することがオススメです。

また、「あと5分で終わりだよ」と声をで伝えるだけでなく、タイマーを見せて残り時間を視覚的に示すことで、気持ちの切り替えがスムーズになります。

2.あそび感覚でできるトレーニング

こどもにとって「あそび」は最高の学びの場です。

夢中になって楽しむ中で、集中力や社会性を自然と身につけることができます。

ルールのあるゲームで「待つ力」と「切り替え」を学ぶ

鬼ごっこやボードゲーム(すごろく、カードゲーム等)など、ルールのあるあそびは集中力を高める要素がたくさんあります。

・ルールを守る:ルールを理解し守りながら遊ぶには、説明をしっかり聞く必要があります。

・順番を待つ:自分の番が来るまで待つ経験は、衝動をコントロールするトレーニングになります。

・注意の切り替え:鬼になったり逃げたりと、状況に応じて自分の役割や行動を切り替える練習にもなります。

ごっこあそびで「目的意識」と「協調性」を育む

お店屋さんごっこやグループでの工作は、社会的な集中力を養う絶好の機会です。

例えば工作で「材料を配る係」などの役割を与えると、「自分の役割を果たす」という目的意識が生まれ、集中力を発揮しやすくなります。

ごっこあそびや工作は、ただ参加するあそびよりも集中しやすくなり、他者と協力するスキルも育ちます。

共同注意を育むあそび

絵本の読み聞かせがオススメです!

本を読みながら「ここに猫がいるね」「次はどうなるかな?」と指さしながらやりとりすると、自分だけでなく相手や対象物にも注意を向ける練習になります。

3.学習につながるトレーニング

学習に集中できない背景には、情報を記憶したり処理したりする認知機能の特性が影響していることがあります。

こどもに合った道具や方法でサポートすることが効果的です。

道具で補う工夫

 ・課題の「見える化」:宿題の手順を絵や箇条書きのリストにすると、ワーキングメモリの負担が減り、見通しを持って取り組めます。

 ・情報の整理:教科書の読む行以外を定規で隠したり、計算問題のスペースを広く取ったりすると、視覚的な情報が整理され、注意が散漫になるのを防ぎます。

ルールを意識する活動

グループ学習やゲームのルールを守ることは、注意を向け続けるトレーニングになります。

特に、「ルールを聞く→覚える→実施する」という流れは、学習そのものに直結する集中力を育みます。

集団学習のスキルを練習する

  • 先生の話を聞く姿勢
  • 分からない時に質問する練習
  • グループワークで友達と協力する練習

これらのスキルを事前に練習しておくことで、授業への不安が減り、学習内容そのものに集中しやすくなります。

集中力のトレーニングは、「特別な練習」ではなく、日常の生活やあそびの中に自然に取り入れられます。

  • ほめて伸ばす
  • 負担を減らす工夫
  • 仲間との活動

これらを家庭や学校で組み合わせていくことで、こどもは自己肯定感を高めながら集中力を高めていくことができるでしょう。

こどもの特性や興味に合わせて柔軟に組み合わせることが大切です。

小さな「できた!」を積み重ね、自信をつけながら集中力を伸ばしていきましょう!

毎日の生活やあそびの中で楽しく取り組める方法を、「日常生活」「あそび」「学習」の3つのシーンに分けてご紹介しました。

次に、発達障がいのこどもの集中力を育てる運動療育プログラムについてご紹介します。

発達障がいのこどもの集中力を育てる運動療育プログラム

脳を育てる運動療育がマルチタスクの苦手を軽減

「うちの子、なんだか集中力がなくて…」「すぐに他のことに気を取られてしまう」

発達障がいのあるお子さんの保護者の方から、こうしたご相談をよくお受けします。

そのような集中力へのアプローチとして、体を動かしながら脳の発達を促す「運動療育」が注目されています。

今回は、運動療育がなぜ集中力アップにつながるのか、そして私たち「こどもプラス」で実際に行っている運動あそびの実例をご紹介します。

運動療育と発達障がいの集中力の関係性

発達障がいのあるこどもにとって「集中できない」「気持ちを切り替えられない」といった困りごとは日常的によく見られます。

これは、思考や感情をコントロールする脳の「司令塔」、前頭前野という部分の働きと深く関係していると言われています。

運動療育は、この前頭前野の働きを活性化させ、集中しやすい脳の状態を作る上で、非常に効果的であることが分かっています。

こどもプラスでは、この前頭前野を効果的に働かせるための運動療育を実施しています。

運動によって脳の血流がよくなり、注意や意欲を司るドーパミンが分泌されることで、集中しやすい状態が作られるのです。

さらに、ルールのあるあそびを通して「考えながら体を動かす」経験を積むことで、集中力や自己コントロール力が育まれます。

集中力を育てる運動あそびの事例

「こどもプラス」では、こどもが「楽しい!」と感じるあそびの中に、意図的に脳を使う要素を取り組んでいます。

ここではその一例をご紹介します。

事例1:衝動性をコントロール!「スタート&ストップ」

【あそび方】

指導者の流す音楽に合わせて、室内を自由に走り回り、音楽が止まったらピタッと止まります。

慣れてきたら、「音楽が止まったら、ライオンのポーズで止まってね!」のように、特定のポーズを指定します。

これにより、指示を聞き分ける注意力、体のイメージ力も同時に養います。

【なぜ集中力に効果があるの?】

このあそびは、「思わず動き続けてしまう衝動」を抑える練習になります。

このあそびの最大のポイントは「ピタッと止まる」という瞬間にあります。

「まだ動きたい!」という自分の気持ち(衝動)を、音楽が止まったという合図をきっかけに、自分の意志で抑えるという経験を何度も繰り返します。

その中で前頭前野の抑制機能が強化されていきます。

この練習が、授業中に席を立ちたくなった時や、場面に応じて行動を切り替える必要があるときに、グッと我慢する自己コントロール能力の発達につながっていくのです。

事例2:脳をフル活用!「宝さがし&ボール投げ」

【あそび方】

部屋の中に様々な色のボール(宝物)を隠します。

こどもたちには、「よーいドン!」の合図でそのボールを探してもらいます。

そして、ボールを見つけたら指導者が「見つけたボールを、赤色のカゴに投げて入れてきて!」と指示を出します。

こどもは、指定された色のカゴを探し、そこへボールを投げ入れます。

【なぜ集中力に効果があるの?】

この一連の流れの中で、こどもの脳は多くの機能を同時に使っています。

  1. 指導者の指示を聞く(聴覚的注意)
  2. 隠されたボールを探す(視覚的探索)
  3. 指示された色のカゴはどれか判断する(認知)
  4. カゴまでボールを運び、狙って投げる(身体抑制)

このように、注意を柔軟に切り替えながら、目標達成まで行動を持続させる力が養われます。

あそびに夢中になる中で、自然とワーキングメモリ(情報を一時的に記憶しながら作業する能力)も鍛えられ、学習の土台となる力も育むことができます。

ここまで見てきたように、発達障がいのあるこどもの集中困難は、本人の気持ちの問題ではなく、脳の特性に合わせたアプローチすることにより効果が期待できます

そして、こども自身が楽しく取り組める方法の一つが運動療育です。

「こどもプラス」では、運動あそびを通じて、こどもひとりひとりの発達段階に合わせた支援を提供しています。

こどもが「楽しい!」と感じる活動の中で、無理なく集中力や社会性を育んでいくことを大切にしています。

専門の知識を持ったスタッフが、お子さんの「できた!」という成功体験を一つひとつ丁寧に積み重ね、自信を持って成長していけるようサポートします。

ご興味のある方は、ぜひお近くの「こどもプラス」の教室まで、お気軽にお問い合わせください。

見学や体験も随時受け付けております!

 

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この記事を書いた人
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発達支援に特化した放課後等デイサービスを全国190教室以上展開する「こどもプラス本部」は、筑波大学大学院博士課程修了・柳澤弘樹博士(体育科学)の研究成果を基に設立されました。
身体活動と脳機能に関する研究を行い、発達障がいのお子様向けの運動プログラム開発に貢献しています。

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