ASDとルーティンワークの相性は?特性を活かした支援とは?
ASD(自閉症スペクトラム)の人にルーティンワークは向いているのでしょうか?
ASDの特性を活かすことで、自分で考えて行動する力を育み、意欲的に物事に取り組むこともできるようになるでしょう。
家族や支援者が、個々に合った支援を行えるよう特性を理解してあげましょう。
今回の記事では、ASDにルーティンワークは向いているのか、について詳しく解説していきます。
ASDにルーティンワークは向いている?
ASD(自閉症スペクトラム)の人は、ルーティンワークを正確にこなすことが得意なため、ルーティンワークに向いていると言えるでしょう。
ASDの人は、毎日の生活習慣や複雑な作業も、一度覚えると正確に実行することができます。
また、1日のスケジュールや手順などが目に見える形でわかると、安心して生活することができます。
そうしていくことで、次第に「次は〇〇をするから、これを準備しておこう」など、自分で考えて行動ができるようになったり、物事にも意欲的に取り組むことができるようになってきます。
このように、ASDの人々にとって、ルーティンワークはとても重要な役割を果たします。
ASDの人は、変化に対して敏感であり、予測可能なルーティンや日常の一貫性を感じて安心感を得ることができます。
こだわりがあり、変化に対して敏感という特性もあるため、新しいルーティンを導入する際には、どのようにしたら良いでしょうか。
新しいルーティンの導入に役立つ、以下のステップをご紹介します。
1.段階的に導入する
新しいルーティンは一度に導入するのではなく、少しずつ段階を踏んで導入することをオススメします。
簡単なことから始め、徐々にステップアップすることで、新しいルーティンになれることができるでしょう。
2.視覚的なサポートを利用する
視覚的なサポートは、新しいルーティンを理解しやすくするのに役立ちます。
例えば、イラストや写真を使ったスケジュール表などを作成し、それを見ながら行うといいでしょう。
3.成功体験
新しいルーティンを成功させたときは、褒める・小さな報酬を与えるなどで、その行動を継続するモチベーションを高めることができます。
4.一貫性を保つ
新しいルーティンを導入する際は、毎日同じ時間や方法で行うことが大切です。
一貫性を保つことで、そのルーティンが日常生活の一部となりやすくなります。
5.理解と協力
家族や療育者からの理解と協力を得ることも大切です。
サポートしてもらうことで、スムーズに導入することができます。
これらのステップを踏むことで、新しいルーティンを導入し、それを日常生活に取り入れやすくなるでしょう。
大切なのは、個々の様子に合わせて調整しながら、忍耐強くサポートすることです。
このように、ASD(自閉症スペクトラム)の人は、ルーティンワークを正確にこなすことが得意なため、ルーティンワークに向いていることをお伝えしました。
次に、こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラムから「指先でカップ運び」をご紹介します。
運動療育プログラム「指先でカップ運び」
こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラムから「指先でカップ運び」をご紹介します。
まず、こども達は数人ずつ横一列に並んで座ります。
体操座りのように座り、両手は後ろについておきます。
一番端の人にカップを1つ渡すので、それを「足の指先」で挟んで持ち上げ、隣の人に渡します。
隣で受け取る人も、足の指先を使って受け取ります。
カップの挟み方は、片足の指先で挟んでも、両足の指先で挟んでもどちらでもいいですが、受け取る時も渡すときも「足だけ」で行うようにしましょう。
足の指先を使ってカップを隣の人へ渡すことで、協調性と社会性を育んでいます。
最初は速さを競わず、ゆっくり丁寧に行うことを大事にします。
繰り返し行うことで、隣の友達との協力が自然と身についていきます。
ところで、こんな経験はありませんか?
「子どもが活動に興味を示さない。」「積極的に参加したがらない。」
子どもが活動に興味を持つように促すには、「指先でカップ運び」のように、遊び感覚で楽しみながらできるものがオススメです。
学習活動に遊びの要素を取り入れることで、子どもたちは楽しみながら学ぶことができます。
他にも、子どもたちの興味や関心を引き出すためには、すでに関心を持っているものや活動に関連するものを選ぶことも大切です。
例えば、動物や車が好きな子どもには、それらをテーマにしたゲームを提供するなどです。
また、小さな報酬などを設定することで、子どものモチベーションを高めることができます。
成功体験を積むことで自信を持ち、活動に取り組む意欲がわいてくるでしょう。
大人が一緒に参加するものいいですね。
大人が一緒に活動に参加することで、子どもたちは安心感が得られ、新しいことに挑戦する勇気が湧きます。
大人がモデルになることで、子どもたちは見様見真似で学ぶことができます。
これらの方法を組み合わせることで、子どもたちが新しい活動に興味を持ち、積極的に取り組むようになってくるでしょう。
大切なのは、子どもたちが自分のペースで学び、楽しむことができる環境を整えることです。
失敗しても恐れずにやり続けることを励ますことも大切です。
こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラムから「指先でカップ運び」をご紹介しました。