運動療育・運動遊び, 障がい者支援(接し方・教育を含む)

発達障害の子どもの「頑張ってもできない」にどう寄り添うべき?

運動療育・運動遊び

子ども達は日々の生活の中で少しずつ成長します。
今までできなかったことができるようになっていく姿は、見守る保護者にも元気をくれますね。
しかし、発達障害の子どもの中には、1回チャレンジしたけどできなかったことができるようになるまでがとても困難で、時間がかかることがあります。
子どもが「頑張ってもできない」と感じると本人もとてもつらいですが、見ている保護者もつらいものです。
今回は、発達障害の子どもの「頑張ってもできない」にどんな寄り添いができそうかを見ていきましょう。

発達障害の子どもの「頑張ってもできない」ってどういうこと?

発達障害の子どもの「頑張ってもできない」は、「やりたくてもできない」、その子なりの理由が隠れていることが多くあります。

例えば、知的に障害が無くても、なかなか宿題に取り組めない発達障害の子どもも多くいます。
その背景には、LD(学習障害)特性で漢字の書き取りが極端に苦手だったり、ADHD特性で1つのことに長く集中することが困難だったり、体幹の弱さから姿勢を維持すること自体が困難だったりすることがあるでしょう。
他にも、失敗や間違いを恐れる白黒思考の傾向が強く、漢字の書き取りを間違えてパニックを起こす子どももいます。
このように、発達障害の子ども達は、個々の理由で「やらない」のではなく「できない」ことがあるのです。

どんなことがどんな風に苦手なのか、どんなサポートや環境調整が必要なのか、子ども自身が気づき、言葉にして伝えることはなかなか難しいことです。
周囲から見てすぐにわかる場合もあれば、子どもの困り感の原因がなかなか特定しにくい場合もあります。
試行錯誤をしたり子どもと一緒に考えながら、困り感を減らしてできることを増やしていけるように丁寧なサポートをしていけると良いでしょう。
1人1人に一番合った方法で、子ども達が自信を取り戻しながら将来につながる力をつけていけると良いですね。

関連記事:発達障害の子ども達は宿題や勉強を「やらない」のではなく「できない」ことがあります。
関連記事:発達障害では学習面での遅れが出やすく個々に合った支援が必要です。 

発達障害の子どもの「頑張ってもできない」は、「やりたくてもできない」、その子なりの理由が隠れていることを確認してきました。
それでは、発達障害の子どもの「やりたくてもできない」を減らすためにはどんなことができるのでしょうか?

発達障害の子どもの「やりたくてもできない」を減らすための具体例(運動療育)

発達障害の子どもの「やりたくてもできない」を減らすためには、個々の困り感に合わせた対策が必要です。
今回は、一例として発達障害の子どもの「やりたくてもできない」を減らすための運動療育の具体例を紹介します。
発達障害の子どもの中には、体幹が弱いことにより、姿勢の維持や様々な集中力の低下を起こしていることがあります。
また、全身をバランス良く発達させていくためには、まずは体の軸になる体幹をしっかりと育てておくことが前提条件になります。

関連記事:なぜ発達障害(ASD・ADHD)だと体幹が弱い?3つの理由と改善策

今回は、こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラムの中から「クマ忍者の修行」をご紹介します。

「クマ忍者の修行」

1、2枚のマットを用意し、間を40センチほど空けて並べます。
2、子どもは少し手前からクマの姿勢で進んでいき、両手はマットとマットの間について両足はそれぞれのマットの上に乗せます。
3、そして、左右にジャンプをします。
4、それができたら、マットをつなげて並べ、ジャンプをしながら前に進んでいってみます。

これは側転につながる動きです。
上記ができたら足を片方ずつ跳ぶのではなく両足同時にマットからマットへ横跳びをします。
その後も少しずつレベルアップしていくことで段階的に側転の動きに近づけていくことができます。
子ども達のやる気を引き出すような工夫で楽しくステップアップを目指せるようにしていきましょう。

クマ・忍者に関する運動遊びをもっと知りたい方は、こちらの療育プログラムも参考にしていただけます。

<クマがテーマの療育プログラム>

<忍者がテーマの療育プログラム>

こどもプラスが運営するInstagramの公式アカウントでも、できることを増やす運動遊びを紹介します。画像付きで解説していますので、ぜひご覧ください。

発達障害の子ども達も、ゆっくりかもしれませんが、日々の生活の中で少しずつ成長します。
「頑張ってもできない」姿や「やらなければいけないこと」になかなか取り組もうとしない様子を見ていると、熱心な保護者ほどつらさやもやもやを感じることもあるかもしれません。
そんなときは、まずはご自身の気持ちのケアをしましょう。
その後、子どもの姿をよく観察し、困り感に寄り添っていけるといいですね。
一人で難しい時は専門家を頼るのもいいでしょう。
子どもの成長に合わせて焦らず、スモールステップでできることを増やしていけるといいですね。