放課後等デイサービスの夏休みにおすすめの活動|こどもの「楽しい!」を引き出すあそび

「長い夏休み、子どもたちが毎日を笑顔で過ごせる場所にしたい」
そんな想いから、放課後等デイサービスでは季節に合わせた多彩な活動が行われています。
放課後等デイサービスの夏休みの活動は、こどもたちの生活リズムを整えるためにも重要な役割があります。
今回は、放課後等デイサービスの夏休み期間におすすめの活動や、保護者にも喜ばれる工夫をご紹介します。
子どもたちの「楽しい!」を引き出しながら、生活リズムの安定や社会性の育成にもつながるヒントをお届けします。
夏ならではの放課後等デイサービス屋外活動10選
放課後等デイサービスの夏休み期間中は、屋外での活動は貴重な思い出になります。
夏ならではの自然体験や水遊びなど、室内ではできない活動を安全に実施するためのアイデアをご紹介します。
水遊び活動
水鉄砲的当てゲーム
準備物: 水鉄砲、的(ペットボトルなど)、バケツ
安全対策:
- 参加・不参加の明確な選択
- 顔に向けない等のルール設定
- 着替え用の日陰スペース確保
手順:
- チームに分かれてペットボトル的当てゲームを実施
- 的の距離や大きさを調整して難易度を変える
- 勝敗よりも参加の楽しさを重視
水風船リレー
準備物: 水風船、バケツ、コース設定用具
安全対策:
- 滑り止め対策
- 熱中症予防(日陰での実施、水分補給)
- 転倒防止の環境設定
手順:
- チームに分かれて水風船をリレー形式で運ぶ
- 落として割れても次の風船に交代できるルール設定
- 競争よりも協力を重視するよう声かけ
障害物水路作り
準備物: 雨どい、ペットボトル、ビー玉、水
安全対策:
- 作業スペースの確保
- 道具の安全な使い方の説明
- 水の量の管理
手順:
- グループで水が流れる経路を設計
- 様々な素材を使って水路を作成
- ビー玉を流して動作確認と改善
水遊び活動は、暑さ対策としても効果的です。
放課後等デイサービスでの夏休み水遊び活動は、水が苦手な子にも「見学」や「少しだけ触る」といった段階的参加を認めることで、不安軽減につながります。
また、子どもたちの体力向上だけでなく、協調性や問題解決能力も養います。
自然観察活動
植物スタンプアート
準備物: 画用紙、水性絵の具、葉っぱや花
安全対策:
- 有毒植物の事前確認
- 手洗いの徹底
- 植物アレルギーのチェック
手順:
- 施設周辺で様々な形の葉っぱを集める
- 絵の具をつけて紙にスタンプする
- 葉っぱの特徴や植物の名前も学習
自然観察活動は、感覚過敏がある子どもにとって挑戦となる場合があります。
放課後等デイサービスの夏休み活動では、参加度合いを自分で選べるよう、複数の関わり方を提示することが大切です。
地域交流活動
ご近所スタンプラリー
準備物: マップ、スタンプ、景品
安全対策:
- 事前の下見と安全なルート設定
- スタッフの適切な配置
- 熱中症対策グッズの携帯
手順:
- 施設周辺の協力店舗や施設にスタンプポイントを設置
- 小グループで回るコースを設定
- 地域の方との挨拶練習も兼ねる
朝顔・ヒマワリ栽培
準備物: プランター、土、種、水やり道具
安全対策:
- アレルギー確認
- 園芸道具の安全な使い方指導
- 手洗いの徹底
手順:
- 種まきから水やり、観察までを計画的に実施
- 成長記録をつけて夏休みの自由研究に活用
- 花が咲いたら地域の方にプレゼントする活動も
地域交流活動は、社会との接点を増やし、実際の場面でのソーシャルスキルを練習する機会になります。
放課後等デイサービスの夏休み活動を通して、地域の一員であることを実感できる体験を提供しましょう。
次に、室内でもできる放課後等デイサービスの夏休みにおすすめの活動をご紹介します。
室内でできる放課後等デイサービス夏休みの活動
放課後等デイサービスの夏休み期間中は、暑さを避けて室内で行える多様な活動を用意することも重要です。
認知機能を高める活動
宝探しゲーム
準備物: 宝物(おもちゃなど)、ヒントカード
手順:
- 室内に宝物を隠し、場所を示すヒントカードを用意
- チームに分かれて協力しながらヒントを解読
- 難易度を調整し、全員が成功体験を得られるよう配慮
まねっこブロック
準備物: カラーブロック、ブロックの見本
手順:
- 見本のパターンを見てブロックで再現する
- 徐々に難易度を上げていく
- オリジナルパターンの創作も促す
認知機能を高める活動は、子どもの年齢や発達段階に合わせてステップアップすることが重要です。
放課後等デイサービスの夏休み活動では、達成感を得られるレベル設定が子どもたちの自己効力感を育みます。
創作活動
協力制作
準備物: 大きな紙、絵の具、クレヨン
手順:
- 「海」「宇宙」など夏のテーマを決める
- 各自の得意な分野で分担(背景、生き物、乗り物など)
- 完成後に鑑賞会を開き、お互いの作品を褒め合う
自然素材でアート作り
準備物: 押し花、木の葉、枝、画用紙、のり
手順:
- 事前に集めた自然素材でコラージュを作成
- 個人作品または共同作品として製作
- 完成作品は施設内に展示
創作活動は子どもたちの自己表現を促し、達成感を味わう機会となります。
放課後等デイサービスの夏休み活動では、プロセスを重視し、完成度よりも楽しむことを大切にしましょう。
学習サポート活動
テーマ別研究プロジェクト
準備物: 参考書、タブレット、画用紙
手順:
- 恐竜、海の生き物など興味のあるテーマを選ぶ
- 調べ学習と発表資料作りを計画的に進める
- 夏休み最終週に発表会を実施
学習サポート活動は、遊びの要素を取り入れながら夏休みの宿題対策にもなります。
放課後等デイサービスの夏休み活動の中で学びの機会を提供することで、二学期への準備にもなります。
運動療育
こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラムから、室内でもできる「障害物片足クマ」をご紹介します。
障害物片足クマ
準備物: フープ、縄、マットなど
手順:
- フープや縄などを使って簡単な障害物のあるコースを作る
- 子どもは片足クマ歩きでコースを進む(障害物をまたいで避けながら)
- 顔を前に向けること、手をパーに開いてつくことを意識させる
- 後ろに上げた足が下がってきたら声掛けでサポートする
片足クマの動きでは腕の支持力と体幹部分の筋力を育てることができます。
障害物があることで空間認知や身体コントロール力も発達し、跳び箱や側転などの運動上達にもつながります。
1人1人の段階に合わせて提供し、楽しく取り組める動機付けも工夫しましょう。
このように、放課後等デイサービスの夏休み期間中は、暑さを避けて室内で行える多様な活動を用意しておくと便利です。
次に、夏休みならではの長期プロジェクト活動をご紹介します。
夏休み長期プロジェクト
放課後等デイサービスの夏休み活動において、長期プロジェクトは子どもたちの計画性や達成感を育む重要な機会です。
数日から数週間かけて取り組むことで、持続力や自己肯定感を高められる実践例を紹介します。
ミニ菜園プロジェクト
期間: 夏休み全期間(3〜4週間)
準備物: プランター、土、種、水やり当番表、観察日記
実施手順:
- 1週目: 土づくりと種まき、育て方の学習
- 2週目〜: 毎日の水やりと観察記録
- 3〜4週目: 収穫と調理体験
- 最終週: 振り返りとまとめの作成
ミニ菜園プロジェクトでは、毎日の変化を記録することで観察力が鍛えられます。
放課後等デイサービスの夏休み活動として取り組むことで、「育てる」「待つ」「収穫する」という連続性のある体験ができます。
夏祭り準備プロジェクト
期間: 2週間
準備物: 工作材料、装飾品、屋台用品
実施手順:
- 1週目前半: 企画会議と役割分担
- 1週目後半: 屋台や装飾品の製作
- 2週目前半: ゲームルールの確認と練習
- 2週目最終日: 夏祭り本番(保護者招待も可)
夏祭り準備プロジェクトは、個々の得意分野を活かした役割分担が可能です。
放課後等デイサービスの夏休み活動として、「準備」から「本番」までの見通しを持って取り組むことで、達成感を共有できます。
プロジェクト活動を成功させるためのポイント
- 子どもが見通しを持てるようにする
- 「今日は何をするか」「いつ終わるか」が分かる絵や写真のスケジュール表を使う
- 「ここまでできたね」と分かるチェック表を用意する
- 「こんなものができあがるよ」と完成形を見せる
- 一人ひとりに合わせた参加方法を用意する
- 「絵を描くのが得意な子」「組み立てが得意な子」など、得意なことで参加できるようにする
- 「全部やる」「少しだけやる」「見ているだけ」など、参加の仕方を選べるようにする
- 急かさず、その子のペースに合わせて手助けする
- がんばったことを認め合う機会を作る
- みんなで作ったものを飾ったり、発表会を開いたりする
- 活動の様子を写真や動画に撮って、「こんなことができたね」と振り返る
- 「〇〇さんは、ここを頑張ったね」と具体的に褒める言葉をかける
長期プロジェクト活動は、放課後等デイサービスの夏休み活動の中でも特に価値のある取り組みです。
日々の小さな積み重ねが形になる体験は、発達障害のある子どもたちの大きな自信につながります。
最後に、夏休みの活動で大切にしたいポイントをご紹介します。
夏休み中の支援で大切にしたいポイント
放課後等デイサービスの夏休みの活動で大切にしたいポイントをご紹介します。
生活リズムを崩さない工夫
夏休みなどの長期休暇では、普段と違う生活になるので生活リズムが乱れやすくなります。
生活リズムは一度崩れてしまうと元に戻すのはとても大変です。
放課後等デイサービスでは以下のような工夫が効果的です。
- 朝の会で「今日の予定」を視覚的に確認する時間を設ける
- 活動と休憩のメリハリをつけ、日中の活動量を確保する
- おやつの時間や昼食の時間を毎日同じにして生活リズムを安定させる
- 帰りの会では「明日の予定」を伝え、見通しを持たせる
子どもたちが自分で時間を意識できるよう、タイマーや時計を活用し、「何時になったら次の活動」という意識づけも大切です。
家庭との連携シートなどを活用し、施設での生活リズムを家庭でも継続できるようサポートしましょう。
子どもの「やりたい」を尊重する支援
夏休みは、学校の制約から解放される期間でもあります。
この時期だからこそ、子どもたち自身の「やりたい」気持ちを大切にした支援を心がけましょう。
- 複数の選択肢から自分で選べる機会を提供する
- 「得意なこと」「好きなこと」を活かせる場面を意図的に設定する
- 苦手なことにも少しずつ挑戦できるよう、スモールステップの成功体験を用意する
- 子どもの発案やアイデアを活動に取り入れ、主体性を育む
こどもプラスの教室では、子どもたちの「できた!」を増やすことで自己肯定感を高め、「やってみたい」という意欲につなげる支援を大切にしています。
子どもの興味・関心に寄り添いながら、発達に必要な経験を自然な形で提供していきましょう。
保護者との連携で安心感アップ
夏休み期間中は、子どもたちの生活の場が学校から家庭や放課後等デイサービスへと変わります。
この変化に伴い、保護者との連携がより一層重要になります。
- 連絡帳や送迎時の会話で、その日の様子や成長を具体的に伝える
- 家庭での困りごとに対して、施設での対応方法を共有する
- 夏休みの過ごし方について、保護者と一緒に目標を設定する
- 活動の写真や作品を定期的に共有し、家庭での会話のきっかけを作る
保護者にとって夏休みは子育ての負担が増える時期です。
放課後等デイサービスは単なる預かりの場ではなく、子どもの成長を支え、家庭を支援する場であることを意識しましょう。
保護者の安心感は、子どもの安定にもつながります。
放課後等デイサービスの夏休みの活動は、発達障害のある子どもたちにとって、単なる時間つぶしではなく、成長と学びの貴重な機会です。
活動の「完璧さ」よりも「参加しやすさ」「成功体験」「自己選択」を重視することの大切さです。
視覚支援や環境調整を工夫し、一人ひとりが「できた」を感じられる夏休みにすることが、二学期以降の自信にもつながります。
何より、放課後等デイサービスでの夏休み活動を通して、「楽しかった」「また来たい」と思える体験を提供することが、子どもたちの長期的な成長を支える基盤となるでしょう。