ADHD

ADHD(注意欠如・多動症)とは?特徴や対処法を紹介!

ADHD

ADHDという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

この記事では、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴や症状、対処法について詳しく解説します。

また、ADHDの3つのタイプ(不注意優勢型、多動性・衝動性優勢型、混合型)それぞれの特徴や、対処法についても詳しく解説していきます。

更に、子どもと大人のADHDの違いや、学校・職場での支援方法もご紹介します。

ADHDとは何か?3種類の特徴と症状を紹介!

ADHD(注意欠如・多動症)は、注意力の持続が難しい、衝動的な行動をとりやすい、多動性があるなどの特徴を持つ発達障害の一つです。

主に以下の3つのタイプに分類されます。

不注意優勢型

不注意優勢型ADHDは、注意力や集中力の維持が困難な特徴があります。

主な症状と対処法は以下の通りです。

  • うっかりミスが多い
  • 物をなくしやすい
  • 指示を最後まで聞けない
  • 課題や活動の優先順位づけが苦手

多動性・衝動性優勢型

多動性・衝動性優勢型ADHDは、落ち着きがなく、衝動的な行動をとりやすい特徴があります。

主な症状と対処法は以下の通りです。

  • じっとしていられない
  • 順番を待つのが苦手
  • 衝動的に発言や行動をしてしまう
  • 過度におしゃべりをする

混合型

混合型ADHDは、不注意と多動性・衝動性の両方の特徴を併せ持つタイプです。

どうしてADHDになってしまうのか?

ADHDは決して珍しい特性ではありません。調査によると、子どもの約5%、大人の約2.5%がADHDの症状を持っているとされています。
男女差については、子どもの場合は男性:女性が2:1、大人では1.6:1の割合で、女性は特に「不注意」の特徴が目立つ傾向にあります。

ADHDの特徴が現れる仕組みについて、最新の研究では脳の「前頭前野」と「大脳辺縁系」という部分が関係していることが分かってきました。
特に前頭葉は、私たちが物事を順序立てて考えたり、行動をコントロールしたり、一つのことに集中し続けたりするために重要な役割を果たしています。
ADHDのある方は、この前頭葉の働きに独特の特徴があり、それによって注意力の維持や行動のコントロールに影響が出ると考えられています。
ADHDの特徴が表れる背景には、遺伝的な要因と環境要因が複雑に関係していると考えられています。
「しつけの問題」や「親の育て方が原因」といった一面的な見方は適切ではありません。
むしろ、生まれ持った特性と、過去から現在に至るまでの環境が互いに影響し合って、その人らしい特徴として現れていると理解することが大切です。

【特徴別】うちの子ADHDかも?ADHDチェック項目

ADHDの特徴は「不注意」と「多動性・衝動性」の2つの側面から見られます。
下記のチェックリストは、医学的な診断を目的としたものではありませんが、お子さまの様子を確認する目安としてお使いください。

不注意優勢型

  • 物をなくしたり、忘れ物をしたりすることが多い
  • 周囲の音や動きで気が散りやすい
  • 約束や日課をよく忘れてしまう
  • 授業中、集中を持続させることが難しい
  • 遊びや課題に最後まで注意を向け続けることが苦手
  • 話しかけられても上の空になっていることがある
  • 指示された内容を最後までやり遂げることが難しい
  • 物事を順序立てて進めることに苦労する
  • 宿題など、継続的な集中力が必要な課題に取り組むことを避けがち

多動性・衝動性優勢型

  • 座っていても手足が落ち着かない
  • 座っているべき場面で立ち歩いてしまう
  • 走り回ったり、高いところに登ったりする衝動が抑えられない
  • 静かに遊ぶことが苦手
  • 常に何かしていないと落ち着かない様子がある
  • 話が止まらなくなることがある
  • 質問が終わる前に答えてしまう
  • 順番を待つことが苦手
  • 他の人の活動を妨げてしまうことがある

混合型

このタイプは「不注意」と「多動性および衝動性」の両方の特徴を併せ持っています。
このようなお子さまへの支援として、最近では早期療育を行うケースが増えています。
早い段階からの適切な支援により、特性自体を変えることは難しいものの、いじめや不登校、うつ状態といった二次的な問題を防ぐことができると考えられています。

ADHDの子どもの治療方法とは?

ADHDかどうかの診断や治療は、経験豊富な専門医のいる医療機関で行うことが大切です。
ここからは、どのような治療法があるのかをお伝えします。

薬物療法とその効果|代表的な治療薬とは?

ADHDの症状を和らげるために、お薬による治療が効果的とされています。

  • 集中力を高めて、落ち着きを取り戻すお薬
    (メチルフェニデートやアンフェタミン)
  • 注意力をよくして、急な行動を抑えるお薬
    (アトモキセチンやグアンファシン)

お薬は人によって合う合わないがあるので、必ずお医者さんと相談しながら使用してください。

心理社会的治療|環境調整と行動療法

お薬以外にも、毎日の生活の中でできる工夫がたくさんあります。

生活の中でできること

  • 部屋や机の上を片付けて、集中しやすくする
  • スケジュール帳を使って、予定を分かりやすくする
  • 静かな場所で勉強できるようにする

専門家と一緒に練習すること

  • 時間の使い方を上手になる練習
  • 困ったときの対処方法を学ぶ
  • お友達との接し方を練習する

家族やまわりの人のサポートも、とても大切です。
お子さまの様子を見ながら、どんな支援が合っているかを、お医者さんに相談しながら少しずつ見つけていきましょう。

ADHDの子どもと接するときに気を付けるポイント

ADHDのあるお子さまは、よく叱られたり、失敗を重ねたりすることで自信を失いがちです。
そのため、周りの大人には以下のような関わり方が大切です。

1.できることを認めて褒める

できないことばかりを指摘するのではなく、できていることに注目して褒めましょう。
「よくできたね」という経験を積み重ねることで、自信とやる気が育ちます。

2.得意分野を見つけて伸ばす

ADHDのお子さまは、好きなことには驚くほど集中できることがあります。
お子さまの得意なことを見つけ、それを伸ばすことで自信につながります。

3.失敗を防ぐサポートをする

  • 「もうすぐ並ぶよ」など、事前に声をかける
  • 机の周りを整理して集中しやすくする
  • 持ち物を一緒に確認する

などの工夫で、失敗を防ぐことができます。

4.動く時間と静かな時間のめりはりをつける

長時間じっとするのが苦手な場合は、途中で休憩を入れたり、動く役割を与えたりしましょう。

5.お子さまと一緒に工夫を考える

どんな時に困るのかを話し合い、一緒に対策を考えます。
「チェックリストを使ったら忘れ物が減った」といった成功体験を重ねることで、お子さま自身が自分に合った方法を見つけていけます。

まとめ

ADHDは、不注意、多動性、衝動性の3つの特徴を持つ発達障害です。

子どもから大人まで幅広い年齢層に影響を与え、生活の様々な場面で困難をもたらす可能性があります。

しかし、適切な診断と治療により、症状の改善や生活の質の向上が期待できます。

診断には専門医による詳細な心理検査と問診が不可欠です。治療法としては、コンサータやストラテラなどの薬物療法と、認知行動療法などの心理社会的治療が主に用いられます。

また、環境調整や周囲の理解も重要です。ADHDの特性を正しく理解し、個々の状況に合わせた対応をすることで、ADHDを持つ人々がその個性や才能を十分に発揮できる社会の実現が可能となります。

ADHD
発達障がいのお子様向け放課後等デイサービス・児童発達支援 – こどもプラス