子どもの成長を長い目で見るってどういうこと?長き支援に向けて!
子どもの発達や困る行動が見られて、医師や保健師さん、幼稚園の先生等関係者に相談。
その際に言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
「子どもの成長を長い目で見ましょう」
この言葉を聞いた時、皆さんはどのように感じましたか?
なんだかもやもやしたという方もいれば、焦っていた気持ちが落ち着いたという方もいるかもしれません。
今回は、「子どもの成長を長い目で見ましょう」の言葉にどんな意味があるのかを見ていきましょう。
「子どもの成長を長い目で見ましょう」には、どんな意味が隠されている?
「子どもの成長を長い目で見ましょう」
医師や保健師さん、幼稚園の先生等関係者がこの言葉を言うときには、大きくわけて「焦らない」、「先送り」の2つの意味があると考えられるでしょう。
1つ目は、「焦らず子どものペースに合わせ、サポートしていきましょう」と保護者に伝えたいときです。
子どもの成長や発達は、ひとそれぞれ。一人ひとり、順序やペースは様々です。
人間の成長や発達は、時間がかかるものであり、時には進歩や後退が交互に現れることもあります。
特に、ASDやADHDなど発達障害の診断を受けている子ども達は、日常生活を送る上で多くの苦手や困難の壁にぶつかることもあるでしょう。
そんなとき、保護者の方の中には「苦手や困難についても多い回数頑張らせればなんとか皆と同じようにできるのではないか」と期待することも多いと思います。
できるようになることや期待したり、苦手なことに目を向けて頑張らせたりすることが悪いわけではありません。
自分の特性や苦手なことがわかればその改善や克服を考えることができ、生活のしやすさにもつながることもあるでしょう。
ただし、そこにばかり目を向けてしまうとやはりなかなかうまくいかなくなってしまいます。
特に発達障害のある子どもは「できなかった経験」を積み重ねることで「うつ病」等二次障害になりやすいことも知られています。
ですので、苦手なことに目を向けるだけでなく、それ以上に自分の得意、強みの部分を活かせるように考えていくことやスモールステップで苦手なことに取り組んでいくことがとても大切です。
スモールステップで取り組むためには周囲の人からのサポートや見守りが欠かせません。
そのため、関係者は「子どもの成長を長い目で見ましょう」と伝えることがあります。
関連記事:療育では子どもの成長を長い目で見ながら良い方向に導いていきます。 放課後等デイサービスの運動療育プログラム
関連記事:発達障害の子ども達はスモールステップで生きる力を身に付けていくことが大切です。 放課後等デイサービスの運動療育プログラム
2つ目は、「今感じている課題は先送りにしましょう」という意味です。
残念ながら、今ある困り感や課題を先送りにする意味で「長い目で見ましょう」と発言する方もいます。
個々の子どもの状態を見て、チャレンジによる過度なストレスを避けるためであれば、もちろん問題のない発言です。
また実際に経験を積んだり成長することで、今は難しいことがすんなりとできるようになることもあるのも事実です。
発達障害のある子どもたちにとって、他の子が自然と身につけられることも、個別に子どもたちのペースや特性に合わせて教えてもらったり、何度もチャレンジしないと習得が難しいことも多くあります。
これは大変に時間も労力もかかることです。
そういった理由から、「長い目でみましょう」という言葉を発信する関係者もいるのです。
本当に子どものことを考えて長い目で見るのであれば、保護者と支援者の間で、今抱えている課題や困り感は何か、スモールステップで今は何に取り組めるとよいのかを共通の認識にできるといいですね。
もしも先送りという意味合いで「長い目で見ましょう」と言われた時には、「では、大人になったときに困らないよう、この半年でまずどんなことを目標に取り組めるといいでしょうか」と聞いてみるのもいいかもしれません。
関係者の「子どもの成長を長い目で見ましょう」には、大きくわけて「焦らない」、「先送り」の2つの意味があることについて確認してきました。
療育や関係者との付き合いは一定の期間で終了することも多いです。
しかし、子どもたちの人生は療育の期間が終わっても、長く続いていきます。
子ども達の将来の姿をしっかりと見据え、関係者を巻き込み、子どもたちのサポートをしていけるといいですね。
では、家庭でできる子どもの運動療育、スモールステップの例にはどんな物があるでしょうか?
見てみましょう!
スモールステップを活かした運動療育
上記でお伝えした通り、長い目で見た支援ではスモールステップを活用して療育を行うことが大切です。
今日は、こどもプラスの放課後等デイサービスで提供している運動療育プログラムから「つな渡りで積み木拾い」をご紹介します。
「つな渡りで積み木拾い」
- 縄を床に置き、その周りに積み木をばら撒きます。
- 子どもは裸足で、つな渡りのように縄の上をつま先歩きで歩いて渡って行きます。
- その途中で指示された積み木を拾いながら進みます。
縄の上という不安定な足場で、落ちないようにバランスを取りながら、指示された積み木を覚えておいて探して拾い、また歩くということを繰り返します。
つな渡りなので、落ちないことがまず大事なポイントです。
良い例と悪い例を見せながら子ども達と一緒に確認して始めるようにしましょう。
慣れてきたら、拾う積み木の色・数・順番などを指定して少しずつスモールステップで条件を複雑にしてみてください。
バランス力だけでなく、認知力や記憶力、同時に複数のことを行なう力などが育ち、日常生活でも役立ってきます。
人生は短距離走ではなく、マラソンです。
子ども達の豊かな人生のために、うまくいかないことがあっても、長い目で見てスモールステップを設定し、小さい「できた」をたくさん一緒に喜びをわかちあっていきたいですね。